甲虫雑感録55版 


昼休みのチョッとした時間を利用た素人甲虫探し出す記です。いつもおなじ
フィールドだと、いづれネタ切れの不安もあるが、なぜか途切れることなく継続
している。次々と現れる新甲虫の不思議。大自然の深さと神秘、恵みに感謝。



コメツキガタナガクチキ  05/08/01
施設の外周アスファルトで見つけた死亡個体。図鑑ではグロテスクな胴長に驚くが、現物は割と小さく15ミリしかないこともあり、異様感はなかった。
タコサビカミキリ?  05/06/25
画像だけをもとに同定作業をするので、あとで困ることが予想される場合はたくさんのカットを撮影するようにしている。この日も見慣れないカミキリを発見したが、はっきりした紋様があるので同定は楽だろうと思いあまり枚数を撮らなかった。 ヒメヒゲナガカミキリにも似るが どこか異なるそのカミキリは図鑑に該当する種は見つからなかった。ネットでなんとかそれらしきカミキリを探し出すも確信はない。
ムネアカツツシンクイ  05/06/19
切り出された丸太の上をふわふわと飛ぶカミキリらしい虫を発見する。あとを追うもなかなか着地せず10分くらいも飛び続けた。やっと丸太の切断面に着地した姿はカミキリではなかった。ムネアカというものの赤いのは雌の前胸だけで、雄は全体がこげ茶色である。体長約15ミリ。
ズグロアカハムシ  05/05/19
体色の変化の激しさで有名なムナグロツヤハムシの明色体とも似ているようだが、オレンジの鮮やかさと上翅の点刻などからズグロアカハムシとした。正確にはムナグロツヤハムシ特有の前胸背板部の突起がないことを確認する。
タテジマカネコメツキ  05/05/05
勤務施設に立ち寄った帰り、裏山に登ってみた。山はオオカメノキの花の時期であり、この花を中心に見て回った。コメツキムシはどれも同じに見えて判定に困るのだがこのタテジマカネコメツキのようにツートンの模様となっているとわかりやすい。
ヤナギハムシ  05/04/30
若葉の季節だけに休日であっても気温が上昇してくると甲虫がどうも気になり出勤。いっせいに若葉をつけ始めた柳の一本にヤナギハムシが鈴なりに付いている。斑紋も変化に富むが下地である上翅もオレンジや黄色やクリーム色とさまざまである。
オオコクワ(飼育) 
毎年冬季間は雪に閉ざされるため、甲虫とは縁のない生活になるのだが今期は違った。オオクワとコクワの種間雑種通称「オオコクワ」の飼育に挑戦し、その世界にどっぷり浸かっていた。体長6センチにも及ぶ大型甲虫が学名もなく大自然に存在する不思議。オオコクワにがぎらず、こういった中間の形態をもった種間雑種が自然界には無数に存在するはずである。誤って新種として登録されたり、数十年も記録のない「幻の昆虫」が実は種間雑種だったりする可能性はないのだろうか。
ニッコウルリハムシ  04/11/26
直射日光が当たり幾分暖かくなった駐車場のアスファルト上を小さなヨモギハムシ属が歩いていた。体長約6ミリ。前胸中央部に点刻が全く見られないのはニッコウルリハムシの最大の特徴であるが、 そのほかにも 触覚の第2、3節比や頭幅比もヨモギハムシとは異なるようだ。
オオルリハムシ  04/10/15
蒲の乱立する湿地帯の奥でなにやらキラリと光るものあり。その光源をたどると、なんとエメラルドグリーンに輝くオオルリハムシであった。ハムシ科の最大種らしく 背伸びすると 15ミリに達しそうだ。着いていたのはシロネと呼ばれる高さ1メートルくらいの植物である。周りのシロネもよくみるとたくさんのオオルリハムシを確認できた。
ヒメホソナガクチキ  04/09/14
タニウツギの葉の裏に張り付いていた。体長約1センチ。コメツキムシにしては触覚や符節が長すぎるので変だと思ったが、図鑑によるとホソクチキムシ科のヒメホソナガクチキのようである。
ブタクサハムシ  04/08/23
道端のブタクサの葉を根こそぎ食べている3〜4ミリの小さな甲虫を大量に発見。しかし、なぜか甲虫図鑑には該当する種が載っていないのだ。ネットで調べると、近年急速に勢力を広げつつある北アメリカ原産の外来種ブタクサハムシと判明した。国内で最初に発見されたのは1996年(千葉県)、現在では北海道と南西諸島を除く全国に定着したというから恐ろしい勢力拡大スピードである。
マクガタテントウ  04/08/15
ヨモギを中心に甲虫を探す。小型のちょっと細長いテントウムシです。この種は一応アブラムシ食といわれていますが生態が詳しく解明されていません。アブラムシを食べるだけなら、川のそばでなくともいいのだが、なぜか河川敷だけに見られる。
ココノホシテントウ  04/08/01
テントウムシの定番ナナホシテントウ。普段からよく目に付き、誰にでもわかる甲虫をあえて取り上げるのは気が引ける・の・だが・・・・・ん!黒点が9個あるぞ (他のカット) 。図鑑を眺めてココノホシテントウだと知る。この種は数が少ないと書いているのは本当か?その後ナナホシテントウを見つけるたびに星の数をチェックしているがいまだに再会はない。
ヨツスジハナカミキリ  04/07/25
ノリウツギの花が咲き始めた。数多くの種類の甲虫が訪れる代表的な花であるが、ヨツスジハナカミキリしか見当たらない。突然スズメバチがこの種のつがいを襲った。雄が捕まりすぐに頭部が切り落とされ、残った身体を鋭いアゴで切り裂きこね始めた。肉団子を作るのだろう。
オオムラサキ  04/07/21
このところ連日雨でまったく屋外に出られなかったが、本日やっと晴れ間がのぞく。久しぶりに樹液ポイントをのぞくと国蝶として有名なオオムラサキが訪れていた。誰でも知っている超有名美麗種なのだが、なぜかこれまで出会ったことはなかった。甲虫をおもいっきり外しているが感動の大きさで掲載することにした。
北上市立博物館(みちのく民族村敷地内)03/04m
「エッ!まさか・・・・」米国カルフォルニア大学から寄贈された6箱の「 米国産昆虫標本」が消えている。確かに寄贈に至る経緯を紹介したスペースが年々削られてきていたのは気になっていたが、標本箱諸ともコーナー自体が消滅するとは思わなかった。1977年、市立博物館主任研究員の昆虫に注ぐ情熱が姉妹都市交流で来日していた米国コンコード市使節団員を動かした。そんな事実を蔑ろにしてはならないだろう。
ヒメマルカツオブシムシ 02/10/05
乾燥中の標本から粉が落ちているので持ち上げてみると、後脚の取れた穴からなにやらモゾモゾ動いてるモノが見える。それを引きずり出すと衣服害虫で有名なヒメマルカツオブシムシの成熟幼虫であった。そういえば今年の4月、ある博物館でこの虫の被害に遭っている 悲惨な昆虫標本箱 を見たことがあった。
エゾカタビロオサムシ 02/08/04
オサムシ類は一般に後翅が退化して飛ぷことができないが、脚がとても発達していてよく走る。しかし、このエゾカタビロオサムシと近縁種クロカタビロオサムシ、アオカタビロオサムシのグループには立派な後翅があり飛翔する。照明に飛来するというより灯りに集まる他の昆虫を補食している感じである。
マダラカマドウマ 02/06/09
捕食されているのはヤマトゴキブリである。カマドウマがゴキブリの天敵だとは知らなかった。特に6月上旬はゴキブリが最も数を増す時期である。フマキラーによるゴキブリ退治を行った。6月2日〜5日の4日間で32匹の戦果はゴキブリも半端な数ではないことを物語る。 拡大
(7)東山堂肴町本店
月刊「むし」を店内に置く書店は限られるが、県内でこの雑誌を販売している書店があるので紹介します。盛岡市河南地区アーケード街「ホットライン肴町」の中にある東山堂書店本店です。2F農林畜産など農学専門書籍脇のラックに「むし」を含む関係雑誌数点が立てかけてあります。
追記:02年秋頃より突然月刊「むし」が見られなくなった。お店の人に聞くと「なぜか入ってこなくなったんですよね〜」立ち読みで興味のあるジャンルの記事が載ったときだけ購入するようにしていただけに残念である。
トラカミキリ 01/07/23
直径20pくらいの桑の木本幹に張り付いていた。産卵に訪れたのだろうか、昨年も8月1日に同一の木にて採集しているので通算2匹目である。無数にある直径5oほどの脱出孔は本種によるものなのだろうか?。擬態の典型として知られるように、キイロスズメバチに見える。トラフカミキリとの呼び名もあるようだが、単純に黄色と黒の縞模様がトラに似ているから「トラカミキリ」が正しいように思う。羽が短いから「コバネカミキリ」、ヒゲ(触角)が長いから「ヒゲナガカミキリ」と同様に。
コアオハナムグリ(赤銅色型) 01/05/28
コアオハナムグリの色変わり型(赤銅色と黒色)は北日本に多く産するという。そういえば、黒っぽい個体をどこかで見たような気もする。ガマズミ系の花にて、本種の黒っぽい色だけを狙い、50個体ほど集めてみた。唐金色や赤緑色から連続的に濃度が増しているのが分かる。赤銅色個体も通常緑個体と同じ深みのあるホログラムカラーをしている。
(5)甲虫標本箱投稿   01/06/04
Web情報誌「クワ馬鹿」にてドイツ箱の募集記事を目にする。数年間採り貯めていた自慢の甲虫標本箱を急遽応募することにした。その後も、「コクワ雌雄モザイク」「x線透視による蛹化羽化」とクワ馬鹿用の記事を書くが後者は未投稿。
甲虫標本箱 
ヤマトアオドウガネ 00/09/08
アオドウガネは県内でも沿岸南部に採集記録が存在する。(陸前高田市立博物館)この個体はドウガネブイブイに極めて似ているが上翔の光沢が銅系や濃緑のメタリックではなく深みのある構造色の緑色をしている。なんと、盛岡市津志田蔦屋ネオン管の下にて採集。体長23mm。
クロカタビロオサムシ 00/08/27
舗装路を横切るところを捕獲する。捕らえるときは、走るだけで飛ばなかったが前鞘を開くとりっぱな後羽が現れた。強い光沢があり、上翅の側縁はエメラルドグリーンに輝く。アオカタビロオサムシとの差異は前胸背板側縁の縁取られた稜が後方まで続くか途中で途切れるかによる。
アオカミキリ 00/07/23
数年前、敬愛荘西側ピロティにて、頭胸部の欠けた緑色に輝く美しいカミキリムシを拾った。カミキリにしては美しい黄緑メタリックの腹部が印象的だった。触角などが欠けていたため判別できなかったがオオアオカミキリかアオカミキリだと思った。平成12年7/23県道志戸平大村線、なめとこ山のノリウツギに訪花性にしては大型の黒っぽいカミキリがきていた。そして、あの数年前の部分個体の正体がやっと判かった。体長32mm。
オオクワガタ
数年前、テレビで時々オオクワ特集が流され始めた頃、話題のオオクワを手に入れたいと思ったが、手に入れる手段など知らなかった。そこでアクリル樹脂でオオクワガタ彫刻標本を作ることにした。触覚や符節等の細かすぎて作れない部品はミヤマクワガタの乾燥標本から頂いた。大アゴなどの立体情報は小学館学習百科辞典「クワガタムシ」の写真だけが頼りだった。その後ホームセンターなどでオオクワ幼虫が売り出されると、飛びつき飼育にのめり込んだのはいうまでもない。


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